私はIT業界ではないですが、実際に採用担当として数十名の採用に携わってきました。
そのときに未経験者を多く採用することがありました。
採用を決めるのは採用基準を満たしているのかが大切になり、この基準はどの企業にもあります。
ただ、採用するにあたり採用基準以外にも大切にすべきと感じるポイントがあります。
それは採用コストなど、求職者には見えない部分を考えているのかということです。
要するに企業のことを考えて、転職の活動を行うことです。
未経験の場合は、ビジネススキルを求められていないため、このことはより一層大切になってきます。
- 転職するときのポイントがわかる
- 採用担当側の思いがわかる
- 採用担当としての未経験者を採用した実例がわかる
未経験から転職するときのポイント

- 転職するときにかかるコストを考えること
- 企業が求めている人材を考えること
転職するときにかかるコストを考えること
企業が採用活動にかかるコストは平均約84.8万円と言われています。
全体 | 84.8万円 |
従業員規模別 | |
300人未満 | 63.6万円 |
300人~999人 | 83.0万円 |
1000人~4999人 | 108.5万円 |
5000人以上 | 78.5万円 |
企業は1人のためにこれだけ多額のコストをかけて採用しています。
しかし、転職活動において、このコストを考えて転職している人はほとんどいないと思います。
ただ、これだけのコストをかけて企業が採用活動をしていることを理解できれば、企業が採用に慎重になることも理解できるようになります。
簡単に考えると転職活動において、84.8万円以上の価値を企業に感じてもらえると採用の可能性が高まります。
このことを考えることにより、事前にしっかり準備して挑むことの大切さの理解も深まるはずです。
企業が求めている人材を考えること
企業には必ず企業理念やビジョン、ミッションと言われるものがあります。
例えば、日本を代表する「TOYOTA」のミッションは「わたしたちは、幸せを量産する。」です。
この理念やビジョン、ミッションを理解して転職することが必要です。
未経験者の1つの強みとして、「染まっていないこと」が挙げられます。
経験者の場合、「染まっている」ことにより、会社として扱いにくい存在になってしまうことがあります。
そのため、経験者を採用するより未経験者を採用する企業もあります。
その場合、いかに理念やビジョン、ミッションに賛同し、企業のことを理解できるのかは大切になります。

採用担当者として採用活動した実例
私は採用担当として数十名の採用に携わってきたため、採用コストなど実例を含め紹介していきます。
- 実際の採用に費やしたコスト
- 企業のことを調べていない面接者
実際の採用に費やしたコスト
単純に目に見えるコストは広告コストになるのですが、採用においては時間コストがかかるため、企業にとっては大きなコストになります。
- 転職サイトに掲載する広告コスト:約50万円
- 稟議書の作成や説明による時間コスト
- 打ち合わせなどの時間コスト
- 採用活動(スカウトメールや面接など)の時間コスト
中小企業にとっては採用にかかるコストはできるだけ抑えたいコストになります。
50万円以上の利益を上げるのは簡単なことではないためです。
また、稟議書や説明、打ち合わせ、採用活動に関する時間コストは思っている以上に業務の負担になります。
そのため、採用はできるだけ慎重に行っていました。
企業のことを調べていない面接者
実際に面接していると企業のことを調べていない面接者が多くいました。
- 理念やビジョン、ミッションを答えられない
- 業界のことを何も調べていない
- 業界のサービスを利用したことがない
採用側としては、「本当に就職したいと思っているのか?」や「採用にもコストがかかっているぞ」などという思いがこみ上げてきます。
そのような人は2次面接に繋がることはほとんどありませんでした。
未経験者において、熱意や思いを面接官に伝えられるのかは大切になります。
そのためには理念やビジョン、業界のことやサービスを知ることは必要になります。

まとめ
未経験から転職するときのポイントは以下になります。
- 転職するときにかかるコストを考えること
- 企業が求めている人材を考えること
採用にかかるコストを知ることによって、企業が採用活動に慎重になる理由を理解できるようになります。
また、未経験からの転職はビジネススキルが求められないため、ほかのところで差を見せる必要があります。
その1つとして、企業や業界が求めていることを理解し、そのような人材を目指すという熱意を伝えることです。
未経験者の強みとして、「染まっていないこと」があるため、熱意を伝えることで採用される確率を高めることに繋がります。
